小4の壁・10歳の壁の乗り越え方とは?認知発達理論で考える子どもの教育と放課後の過ごし方

会社の先輩ママより、「小4の壁、特に勉強面でのつまづきで大変だった。1年生の時からの過ごし方は大切だからね」と強くアドバイスされました。「小4の壁」とは何が原因で起こるのでしょうか?専門的な理論やアドバイスも知りたいです。

小4の壁・10歳の壁・9歳の壁 呼び方や問題も様々
目次

小4の壁・10歳の壁とは?

小4の壁・10歳の壁とは、小学校4年生から5年生にかけて勉強についていけなくなる、主に学習面での問題です。
NHKのテレビ番組・クローズアップ現代で『“10歳の壁”を乗り越えろ~考える力をどう育てるか~』 を2009年6月18日に放送し、大きな話題となると共に、10歳の壁を世の中に定着させました。

さらに、この考える力・学力の問題とあわせて、小4の放課後の居場所がないこと(公設学童を利用できない、友達の多くが進学塾に通っている)子どもが(反抗期と重なり)親や社会に対して反抗的な態度をとる、など様々な問題を引き起こし、これを総称して「小4の壁・10歳の壁」と呼ばれています。

学童ナビ 編集部

「小4の壁」問題についてもご覧ください。

小4の壁・10歳の壁 問題は何故起きるのか?

NHKの番組ホームページによると、
”原因の一つと考えられるのが「考える力」の低下。算数の場合、計算は得意でも、文章題になるとできないケースが目立つ。
背景として、ドリルに依存した学習スタイルや、家庭での会話の減少によるコミュニケーション能力の遅れなどが指摘されている”とされています。

良かれと思って取り組んでいた先取り学習が、考える力低下の原因になっているかも?
こどもが低学年の時こそ、暗記や反復学習よりもコミュニケーションや考える力を重視する環境で過ごすことで、考える力を育むことができるかも?

こうした原因や対策を探るために、そもそも子どもはどうやって成長しているのか?ピアジェの「認知発達理論」をご紹介いたします。

ピアジェの認知発達理論

ジャン・ピアジェ(1896年8月9日 – 1980年9月16日)は、スイスの心理学者です。20世紀において最も影響力の大きかった心理学者の一人とされています。特に、ピアジェが提供した認知発達理論が有名です。
認知発達理論は、「知識は外界から与えられる」のではなく、「子どもと環境との相互作用を通じて自ら構築する」というものです。子どもは自分で試行錯誤しながらあらゆる事柄を理解できるようになっていくのです。

ピアジェの提唱した認知発達理論では、子どもの感覚運動から思考・認知の発達を、
①感覚運動期 ②前操作期 ③具体的操作期 ④形式的操作期 の4つの段階にまとめ、必ずこの順序を踏んで発達するとしています。

例えば、子どもの環境が学びにとって劣悪だったり、相互作業の経験が足りないことで、子どもの成長発達段階が達していないにも関わらず、小学校では次のレベルを勉強していたらどうなるでしょうか?
これが、学習面でのつまづきです。

ピアジェの提唱した認知発達理論 の4段階を具体的にご紹介します。

感覚運動期(出生~2歳頃)の特徴

  • 見たり触れたりして知識を獲得する
  • ものが隠されて目の前から消えても、そのもの自体が消えてなくなるものではなく、どこかで存在しつづけていると取られ始める

前操作期①(2~4歳頃)の特徴

  • ものごとを言葉やイメージなどの記号化されたもので認識するようなる
  • 象徴遊び(ごっこ遊び)にみられるように、「まね」「ふり」などのイメージが使えるようになる

前操作期②(4~7歳頃)の特徴

  • 自分の現在の視点や経験を中心にものごとをとらえ、他者の立場から考えることが出来ない
  • 無生物にも意識や感情があると考える

具体的操作期(7~11歳頃)の特徴

  • 外観が変化しても、本質そのものは変わらないことがわかり、見かけの変化に左右されなくなる
  • 対象に何らかの操作を加えた後に、その操作を取り消して元の状態に戻すための操作を考えだせるようになる
  • 他者の視点や立場にたって考えることができるようになり、具体的なものに対しては論理的な思考も可能となる

形式的操作期(11~15歳頃)の特徴

  • 具体的な内容を離れて思考することができる
  • 仮説演繹的に推論し、仮説の真偽を検証するような思考も可能となる

小学校4年生で学ぶこと

小学校では子どもの発達段階に応じた授業の内容へと変化し、4年生になると勉強の難易度が飛躍的に高くなります。

例えば、算数の応用問題や国語の論理的思考力(いくつもの事実をまとる力、上下の概念を認識する力等)を問う問題です。

理科の場合は、3年生までは、植物や昆虫、太陽など 子どもの直接的な体験から学べる単元が中心となります。
これに対して、4年生からは、電気の働き、空気や水の力の変化、一年間の月や星の動きの変化、など観察を通じて、どのような変化があったのか、そして変化と●●と関係があるのではないかという推論を学びます。

こうした問題を考えるためには
・目で見ることができないことでも思考できる力
・経験から仮説を導き出す力
・仮説から予想をする力
一言で表現すると、「想像上の問題を考える力」が必要となります。

具体的操作期と形式的操作期の思考の繋がりの例

例えば、同じ朝顔の種から違う色の花が咲くことに気が付いたとします。「朝顔の花の色は、土の栄養によって違う花の色が咲く」という仮説をたてたなら、「(Aという土の栄養で育つと)朝顔の花の色は青いはずだ」と予測できます。
ここまでが、具体的操作期(7~11歳頃)で獲得する、論理的思考力です。
さらに、この予測が確かめられる方法を考えることで仮説がより確からしくなります。このようなプロセスを仮説演繹法といいます。「論理的思考力」の積み上げのうえに「想像上の問題を考える力」を獲得することができるのです。

まとめ 1-3年生で経験すべきこと・学ぶこと

想像上の問題を考える力は、ピアジェの認知発達理論によれば、子どもと環境との相互作用により、段階を踏みながら誰もが育むことができます。

想像上の問題を考える力を育む前段階で、子どもが獲得すべき具体的な力は以下の通りです。

・経験を通じて、自分の意見をもつ
・話し合いを経験しながら、自分の意見と他人の意見の違いを理解する
・経験を通して、じっくり観察する
・観察結果から、何が言えるか考える
・まとめる力をつける
・読書を通じてどうしてそうなったの?その先はどうなるだろう?を考える
・他人の立場に立って考えることができる

すぐに身に付くことはできないですが、子どもたちが様々な経験と学び合い・話し合い、そして読書を通して得ることができる力です。

1-2年生は、小学校で過ごす時間よりも放課後の時間の方が長いと言われています。様々な経験や学びあい・話し合いを経験できる日をつくることも選択肢のひとつして考えてみてください。

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