覚えておきたい、2つの「民間学童」について

「民間学童」という言葉が全く異なる2つ施設に使われています。

「民間学童だと思って入会したのに、利用者の保護者がやるべきことがたくさんあるので驚いた!」
と言った声や、
「利用している学童が業績不振で閉設することになり、営利目的で運営されていることを初めて知った。
民間学童は福祉施設ではないのか?」といった声です。
なぜ、誤解が生まれるのでしょうか?

放課後児童健全育成事業(厚生労働省管轄)対象か

まず、最初に押さえておきたい言葉が、厚生労働省管轄における放課後児童健全育成事業の対象か否かです。

★放課後児童健全育成事業とは何でしょうか?
「児童福祉法第6条の3第2項の規定に基づき、
保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、
授業の終了後等に小学校の余裕教室や児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、
その健全な育成を図るものです。」と定義されています。

さらに活動内容も、
・放課後児童の健康管理、安全確保、情緒の安定
・遊びの活動への意欲と態度の形成
・遊びを通しての自主性、社会性、創造性を培うこと
・放課後児童の遊びの活動状況の把握と家庭への連絡
・家庭や地域での遊びの環境づくりへの支援
・その他放課後児童の健全育成上必要な活動
と定義されています。

つまり、放課後児童健全育成事業 とは対象の児童に対して
誰もが等しく健全な放課後を提供する「福祉」施設です。
小学校と同じように、希望があれば全員を受け入れる必要があります。

尚、厚生労働省は「放課後児童クラブ」と呼んでいますが、
呼び方・相称、さらに運営方法は各自治体により全く異なります。
各自治体から委託をされたり、助成金を受けたりしている施設もあれば
届け出のみで運営費を賄っている施設もあります。
さらに、保護者が、例えばおやつ代の精算と手配を行う等、
運営者としての役割を担う必要があることも多いです。

自治体が「民間学童」という言葉を積極的に使う背景

以前は、各自治体が設置し(公設)運営を保護者による運営として「父母会」や「自主会」と呼ばれたり
福祉団体に委託をしたりして、「公設民営」学童と呼ばれておりました。
(そもそも学童は、働く母親の増加により、住民による設置・運営が始まりです)
最近、自治体によっては、小学校内で学童設置・運営に新たに乗り出すところも多く、
この小学校内学童と、小学校外の学童の差別化をするために「民間学童」または「民間学童クラブ」と
呼ぶようになってきたものと考えられます。

厚生労働省管轄外の民間学童保育とは

主に民間企業が設置・運営している民間学童保育サービスは、
子どもの放課後を豊かなものにする、という大きな目的は一緒ですが、提供されるサービスは様々です。
厚労省管轄外ですので、提供するサービスや対象者も自由に設定し、独自の方針で運営することができます。
尚、保護者が何か運営に協力を求められることはありません。
営利目的で運営されているため、経営不振の場合には予告3-6か月で閉設されることもあります。

民間学童のまとめ

1.(厚生労働省管轄)放課後児童健全育成事業 対象 父母や福祉団体等が運営
・料金は安いが、利用者の保護者にも様々な役割がある。
・空いている時間は、工作や月数回のイベントが実施されている。
・学校の宿題のサポート以外に、特別な学習プログラムはない。
・利用希望者は基本的には全員受け入れる必要がある。
・閉鎖する場合には、各自治体との協力も仰ぎながら、近隣施設への転移手続きが行われる。

2.(厚生労働省管轄外)放課後児童健全育成事業 対象外 小学校以外で民間企業や福祉団体が運営
・料金は高めだが、様々な習い事やサービスがある。
・利用時間には、予め選択した習い事やプログラムをして過ごす。
・保護者がすべき役割はない。
・経営不振の場合は、急な撤退や閉鎖の可能性もある。

民間学童の利用を検討されている方は、利用目的に照らしてしっかりと情報収集を行ってください。